いやいや忙しい・・・
着任して2週間が経過しましたが、予想通りというか、予想を超えたというか、とても忙しいです。良いところは今のところは朝7時から夜の7時まで頑張れば何とか仕事を片付けられるということ。そこからはもう頭があんまり働かない。知的持久力がもう少しあれば・・・。
論文の執筆は本当にゆっくりと進んでいます。本当に1つ1つの単語、文章のつながりなどを考えながら。このような雑文を書くときとは正反対のattitudeで進めるので、実は気分転換になっています。
Keicoさんが本ブログのタイトルについて言及してくれた。実は本ブログのタイトルはJoe SatrianiのStrange Beautiful Musicからとったのです。奇妙だけどなかなかいい人生、を目標にしようとつけました。
インターネット開通、WWDC 2007、ディスカッション、最近の生活
昨日ようやくインターネットが開通しました。テプコ光のマンションタイプで、下り72 M、上り17 Mでした。全住居での3MのADSLに比べたら、やはりストリーミングの速さが違いますね。奥さんはAppleのQuicktimeのHDギャラリーにはまっていました。
以前と比べて外部から大学内のネットワークへの接続が容易になり、自宅から文献検索なども問題なくできるようになりました。これは、大学の研究環境の改善という意味ではとても大きいことです。もっと評価されるべきだと思います。
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WWDC 2007のkeynote speechが終わっていました。WWDCという会議の性質のせいか、ハードウェアに関する発表はなく、シークレットにされていたLeopardの機能に焦点が絞られたようです。Dockが新しくなったこと、FinderでもiTunesのようなCover flowが実現されたことなど、考えてもいなかったけれど、必然的な革新(いい表現が思い浮かばない)に脱帽です。何にユーザが感動するかMSも見習って欲しい。
基調講演のQuicktimeはまだ見ていません。今週末に見られるかは微妙ですが、楽しみにしています。
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今週は6:30に職場について、そこから18:30まで昼食時間を除けばぶっ通しで仕事をしています。如何に研究所生活が生温かったかを思い知っているわけですが(笑)、やはり充実感が違います。
今週に1つの山がある。着任直後の手続き、学会の締め切り、論文の最終仕上げ、研究計画の仕上げ、がやり遂げなくてはいけない事柄。その後、発表資料(内部発表、出身研究室のゼミ旅行用、研究会)の作成・・・。もちろん、その合間に学生とのディスカッション、実験のサポートなども入ってきます。とりあえず、夏休みまではかなり頑張らなくては、という感じです。
初ディスカッション
昨日は学生と初めてのディスカッションをしてみました。
教員と学生が1:1で議論するのではなく、1人の研究目標からそれにたどり着くためのアプローチを他の3人と一緒に議論して研究スケジュールを決めている。最初は骨の折れる作業だけれども、全員でよい方向に向かうような雰囲気が出来ればと思っている。出来れば学生には学費を払っていれば学位をもらえるという消費者の視点で研究を行ってもらいたくない。学費も含めて十分に暮らしていけるだけの給料が大学院生に支払われていない、というのが諸悪の根源なのだが。こんな先進国は日本だけなんだけど・・・。
来週は今回のメンバーも含めて、留学生の研究についてディスカッションを行う予定。
結構焦点が定まっている状態
5/27から自宅にはインターネット接続が無く、家ではもっぱらギターを弾くか仕事をするかなのであるが、その分職場でネットサーフィンをするわけでもない。何というか以前自分が欲しかった情報を今はそんなに欲していないという状態。
ちょっと見ない間にAdvanced [es]も発売されたし、有機LED、Santa Rosaを採用したMacBook Proも発表されたが、気付かなかった。さすがに6/11のWWDCはチェックするのだろうが・・・。
昨日までに色々あった雑務をだいたいこなすことが出来ました。来週から本格的に研究を開始することが出来るでしょう。しかし、学生指導の合間を縫う形となるので、そこはちょっと様子を見ることが必要。
今の生活スタイルは5:00前後に起床、7:00に職場到着。メンバーの何人かはもう仕事を開始している。そして18:00に疲れ果てて職場を去る、という感じです。
昨日は高校時代の友人が准教授に内定したとの報告があった。うーん、凄いです。とても刺激になりました。とりあえず、その友人との再会を楽しみにしています。
着任して3日
ようやく着任して3日目で様々な事務手続きを完了。学生達とのディスカッションを楽しみながらやっている。「それぞれの学生のレベルに合わせるように。自分のレベルを押しつけない。」というのはボスとの約束なのであるが、時々、「いや、それはそうではなくて・・!」というのを言いかけて思いとどまり、ゆっくりと説明を始める・・・、の繰り返し。
自分の大学院時代はどうであったか?当時、自分が一番辛かった部分をサポートできるか?と考えて行動しているつもりだが、環境が違うと悩む点も違うのであろうか?日々疑問の数は増えつつ、それでも日々の仕事を淡々とこなしつつ、粛々と研究室の状況を把握しようとしている毎日です。
とりあえず一段落
仙台の出張を終え帰宅しました。
火曜日の夕方に仙台入りしたのですが、自分の勘違いでホテルをとっていなかったので(笑)、駅の紹介所で確保しようやくリラックスしました。
ホテルではとりあえず、研究所の報告書をまとめて、論文に3時間ほどの時間をかけて10時頃就寝。
翌日、メトロポリタンホテルのロビーにて米国チームと再会。そのまま東北大の見学会&シンポジウムへ。同じ人の発表を2回聞くと、さすがにその人が何を目標にしているか分かってくる。
その後のバンケットのジンギスカンの店では私の周りは米国の女性研究者で、研究者が如何にパートナーを見つけるかという話題で盛り上がった。私の学生結婚は、まあ、刺激のない内容でしょう(笑)。
翌日のソニー仙台テクニカルセンターの見学は1時間という短い時間であったが、サービスでblu-ray Diskの生産ラインも少し見ることが出来、なかなか面白かった。
今回の旅ではバスの移動中などDavid Ericksonと色々と話した。大学生、大学院生、ポスドク時の仕事、生活などいろいろとお互いの笑い話を入れてのディスカッション。何というか彼とはとても馬が合う。
その後全員で松島を訪問し、今回の出張は終了。
ちなみに出張中に親友のsさんが無事に出産しました。おめでとう!
引っ越し、退職、そして出張
日曜日にようやく引っ越しを完了。家の中は完全に段ボールで埋まっています。残念だったのが、居間まで使っていた食器棚がキッチンに入らなかったこと。これは居間まで使っていた物をリサイクルに出して、新しいのを買うことにした。
もう一つショックだったのが、引っ越し業者が作業しているときに自転車が盗まれてしまったこと。若いお兄ちゃんは後で絞られそうだ・・・。結構古かったので、僕らは気にしていないのだが(笑)・・・。
引っ越し業者の人は非常に能率的に作業していて、それを見ているだけでも感動してしまいました。
研究所最終日もあまり深い感慨はなかった、というよりも次のことで頭が一杯だからでしょう。あっさりと引き継ぎを終えて、とりあえず終了。つくばから藤が丘までは95 kmしかし、首都高が空いていたせいで100分くらいで着きました。
そして、今回の仙台出張に至るのですが、米国ツアーで一緒だった研究者と再会します。色々研究の話で盛り上がれるので楽しみにしています。仙台は明日まで。明後日は新しい職場での仕事初めです。
あと一日
研究所生活も月曜日のみを残すこととなった。
今日はポスター印刷とマニュアル書き。昼休みには指導教官と昼食を一緒にとった。なんだかんだいって、人とのつながりが薄くなりつつある研究所で、前のグループのメンバーが集まるというのは珍しいことらしく、なんだかんだいって指導教官のグループは良かったのではないかと思った。
先輩研究員に聴くところによると、研究所の40歳代のグループリーダーは管理者としての訓練を受けた事がないらしく、グループとして機能していないところが多いのだそうだ。どこも同じだなあ、と感じる。理研などを見ているとうまくいっているところが多いので、これはうちの研究所特有の問題なのであろうか?
なんだかんだいってどういう雰囲気がメンバーのモティベーションにどの様な影響を及ぼすか、ということについて色々勉強になった2,3年でした。
放置して「自分の力でやれ。」というのも良くないし、人に指示されないと行動できない、というようになってしまうのもまずい。何というか、自分で問題点を見つけて、それを自分の仕事に自分なりの意義を見いだすことが出来るような、そのようなプロセスが重要であると思う。まあ、現場に出れば色々分かってくるでしょう。
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マニュアルを書きながら思ったのだが、自分が一年かけて立ち上げた装置は、他の人はマニュアルを見ながらでも絶対に動かすことは出来ない・・・。現在の表面分析装置はますますブラックボックス化し、操作法が簡便になっていっているのに対し、自分の装置はそれの対極にある装置だ。なんというか、ウン百万円かけて調整したこの装置も、結局使う人がいなくて数年後に廃棄されるのであろうか?とても寂しい様な感じ。願わくはもらっていきたいのだが(笑)。そのような装置は研究所にはたくさんある。研究所のこの現状が明らかにされたら国民の怒りを買いそうな気がするけど、「装置には金を使えるけれど、人には金を使えない」という、問題は解決できないのでしょうか?
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一昨日の科研費、運営交付金に関するエントリーが大学関係者をターゲットとしたSEOになったらしく(笑)、大学のドメインからの大学名を検索ワードとした検索結果から来た人が多い。
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次のマンションでインターネットが繋がるまでは、少し時間がかかるでしょう。fonのアクセスポイントがあるのだけれども、期待して繋がったことがないので、ちょっと心配です。しばらくはウィルコム経由でメールチェックなど最低限の事しかしないと思う。
国立大学向けの「運営費交付金」行方
重要なニュースなのでここにまとめておきます。
やはり、科研費では東大、京大、東工大などが強いです。単純に考えると、研究を遂行している人材の質の高さ+国が重点を置いている課題に沿った研究テーマが多い、ということでしょうか?
一方、特別研究費に関してみてみると、地方大学が多く、その後、やはり、東大、京大などの大学が増額されている。
交付金が100%増加、あるいは半分以下になったなどど、あっさり書かれていますが、教員数、学生数も1,2年で急激に変わらないので、交付金が減額された大学はさらに厳しい状況に追い込まれていくと思います。競争的資金が増えるに従って、今後はさらに格差が広がっていくのでしょうか?
科研費などははやりのキーワードを入れないと、なかなか採択されにくいという印象を持っています。なので、自分の興味とはやりの分野を如何にリンクするか、というのが重要です。
しかし、自分の興味でないところには情熱を捧げるのは難しいので、そのバランスをとるのが必要になってくるでしょう。そして、それを通じて新しい色々なアイデアが出てくるというのが、これからの研究の醍醐味の1つになってくると思います。
教員となって数年たてばこのあたりの状況が色々と明らかになってくると思います。
P.S. 個人的に興味深かったのは奈良先端技術大学院大学が科研費、特別研究費ともに増額しているのに対し、北陸の方は交付金が減額されていますね。自分の中ではこの二つは先鋭の大学院大学で研究のレベルの高さ、教員の勢い(若さ、実績)などで共通点があった、と思っていたのですが、なぜ差が出てきてしまったのでしょうか?このデータもたった1年のデータなので、数年の推移を見ないと何ともいえないですね。
http://innovation.nikkeibp.co.jp/etb/20070523-00.html
財務省は2007年5月21日に、国立大学向けの「運営費交付金」について、(1)科学研究費補助金(科研費)(2)特別教育研究経費の配分割合に基づいて見直した場合の2通りの試算を公表した。同試算では、2006年度の科研費の獲得実績を指標とした場合、運営費交付金が現行より増える大学は13大学で、反対に減少する74大学のうち地方大学や教育大学などの50大学で同交付金が半分以下になった。一方、20042006年度の特別教育研究経費を指標とした場合でも、同交付金が現行より増える大学は34大学に留まり、減少する52大学のうち、30%以上減少する大学が27大学に達した。
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科研費を指標とした試算では、(1)東京大学(2)京都大学(3)東京工業大学(4)名古屋大学(5)東北大学(6)大阪大学(7)東京農工大学(8)北海道大学(9)奈良先端科学技術大学院大学(10)九州大学(11)一橋大学(12)神戸大学(13)長岡技術科学大学の13大学で、同交付金が増加する(増額率の大きい順)。旧帝国大学の7大学すべてがランクインしており、特に上位3大学である東京大学と京都大学、東京工業大学では100%(倍額)以上の伸びとなる。
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一方、全国の国立大学の85%に当たる74大学で交付金の減額となる。特に交付金が50%以上減額となる大学をみると、(1)兵庫教育大学(2)愛知教育大学(3)京都教育大学(4)鳴門教育大学(5)福岡教育大学(6)北海道教育大学(7)東京芸術大学(8)大阪教育大学(9)宮城教育大学(10)上越教育大学(11)福島大学(12)滋賀大学(13)大分大学(14)奈良教育大学(15)東京学芸大学(16)東京海洋大学(17)筑波技術大学(18)佐賀大学(19)鹿屋体育大学(20)和歌山大学(21)琉球大学(22)山梨大学(23)小樽商科大学(24)香川大学(25)島根大学(26)滋賀医科大学(27)高知大学(28)大阪外語大学(29)弘前大学(30)岩手大学(31)総合研究大学院大学(32)宇都宮大学(33)宮崎大学(34)鹿児島大学(35)富山大学(36)室蘭工業大学(37)信州大学(38)鳥取大学(39)旭川医科大学(40)岐阜大学(41)福井大学(42)秋田大学(43)政策研究大学院大学(44)帯広畜産大学(45)山形大学(46)京都工芸繊維大学(47)茨城大学(48)三重大学(49)北陸先端科学技術大学院大学(50)奈良女子大学の50大学(減額率の大きい順)となる。教員養成系の地方の教育大学で、減額率が80%を超えるところが多い。
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一方、新たな教育研究ニーズに対応し、各国立大学の個性に応じた意欲的な取り組みを重点的に支援する「特別教育研究経費」を指標とした試算では、(1)筑波技術大学(2)旭川医科大学(3)帯広畜産大学(4)群馬大学(5)東京外国語大学(6)福島大学(7)お茶の水女子大学(8)福井大学(9)熊本大学(10)長崎大学(11)小樽商科大学(12)東京芸術大学(13)宮崎大学(14)北見工業大学(15)室蘭工業大学(16)長岡技術科学大学(17)東京大学(18)新潟大学(19)九州大学(20)大阪大学(2007年10月に統合予定の大阪外国語大学含む)(21)奈良先端科学技術大学院大学(22)政策研究大学院大学(23)東北大学(24)名古屋大学(25)滋賀医科大学(26)岐阜大学(27)浜松医科大学(28)鹿屋体育大学(29)京都工芸繊維大学(30)山口大学(31)山梨大学(32)一橋大学(33)佐賀大学(34)北海道大学の34大学で、交付金が増加する(増額率の大きい順番)。特に上位19大学で30%以上増加することになる。