アジア、中東からの留学事情

アジア、中東からの留学希望の学生からのコンタクトが最近相次いでいる。

Skypeで面談をするのだが、自分の方針としては1回目で相手の今までの研究、我々の研究について話して、2回目で我々の研究で特に興味を持った点、可能であれば研究プランを話してもらう(この時点で学生のレベルが分かる)、3回目で家族構成、家族の同意、プライベートなことに関しても雑談がてら話す。

大体、3回目の面談では少し心を開いてくれて色々と自分のことについて話してくれるのだが、最近はインド、パキスタンなどの中東からの留学希望生は(おそらくトップの学生はアメリカ、ヨーロッパ希望)台湾、韓国、中国も含めて留学先候補を挙げていることが分かってきた。

おそらく5-10年前であれば日本が第一希望であったのだろうが、その地位は急速に台湾、中国、韓国に奪われつつあると言って良い。決して地震、原発事故のせいでは無い。

日本はdeclining countryであり、それは日本人よりも外国人の方が知っていると痛感させられる。

私にとってはこのdeclining countryの数ある研究グループの中から私のグループを選んでくれた縁に感謝して、彼らのステップアップに繋がるような環境作りにベストを尽くすのみである。

競争を避ける

硬直したシステム、ルールの中でパイを取り合おうとすると、あっという間にドロドロの競争になる。

自分はむしろ硬直したルールの中での競争を避け、自分なりに新しい、既存のルールでも多少評価してもらえて、何よりもそれを生み出す過程が楽しめる事をやろうとしています。そのための努力はそれなりに厭わない。

そういう意味では私は競争を逃げているし、そのおかげで過当なストレスも無い。一生をかけたブルーオーシャン戦略だ。是非学生にも伝授したい(笑)。

私がこんな時代にも博士課程進学を勧めるのはその様な理由もあります。単純に大企業に中途半端な実力で就職しても、既存のルールでグローバル化した市場で戦っていかなくてはいけない。個性を殺して競争に参加しなくてはいけない。

むしろ、全く新しい価値を生み出す仕事に夢中になる方が、明らかに楽しい。指導教員の与えたテーマで終わってしまう事が多い学部、修士課程から、新しい価値を世に問う練習(実際には練習ではないけれど)、柔軟さを身につけることが出来る博士課程は、今後の社会を快適に生きるのに必要なトレーニングの場になってくれると思う。少なくとも私はそういう場を与えたい。

P.S. よく考えたら、私の博士過程の同僚は技術営業、特許事務所、銀行員、IT企業社員と多彩だ。奇妙な経歴が自分のポジションを得るためのサポートとなっている。

今日は休日出勤

4時起床。そして本日は進学説明会のために都内に向かう。

休日出勤が喜ばしくないのは、休日が減ることではなく、妻が家で2人の子供の面倒を見なくてはいけないところなのですよ。平日は保育園があるので、子育ての負担は減るので、我々は休日の方がドッと疲れる。

iBooks AuthorとKeynoteを使って授業をする

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早速、インストールして使ってみました。

Keynote, Pagesを使った経験があれば、全く迷うことなく電子書籍のフォーマットで書籍を作る事が出来るでしょう。このシームレスさにビックリです。4月から担当する授業”Nanoscience & Nanotechnology”の授業の資料もKeynoteで作製しているので、iBooks Authorに講義ノートとして簡単に落とし込めるでしょう。

とここまで考えたところで考えを改めた。

実際、講義の内容、項目の順番は未だ確定していないところも多いので、iBooks Authorは目次、セクションなども簡単に作れるので、こちらで授業の構成を確立してからKeynoteに落とし込むようなフローで授業の準備をしてみようと思います。

実は大学のシステムは講義ノートはPDFしか受け付けてもらえない。しかしこのおかげで、iOSデバイスを持っている学生にはiBookのフォーマットで講義ノートを配布することが出来ますね。楽しみです。

New years’ resolution 2012

毎年毎年、新年の目標を立てていたが、今年は敢えてここに定量的な目標を書く事はやめておく。

研究室としては年に4-5報の論文を出し続けなくては生き残っていけないし、最低限の予算も確保しなくてはいけない。博士課程、ポスドク時の「これだけやれば120点」の目標は現在の最低ラインになってしまった・・・。

しかもそれらは日々の研究、自分の生活とバランスをとりつつ継続していかなくてはならないし、どれかが途切れる事を考えると恐ろしい。

ということで、今年の目標は心身ともに健康で、1年を通じて高いパフォーマンスを維持することです。(あと欲張りだけれど、学生には学会の賞を取って欲しい(笑))