Washington D.C.


昨日は一日オフなのでWshington D.C.に行ってきた。GaithersburgからはShady Groveから地下鉄に乗って35分くらいでスミソニアン駅にたどり着けます。しかし、Shady Grove駅まではタクシーかホテルのシャトルバスで10分くらいなのが少し面倒なところです。


実は2002年にも妻とWashingtonを訪れていますが、1人で回ると自分の興味があるものに立ち止まる事が出来るので、なかなか快適でした。国会議事堂、ホワイトハウス、リンカーン記念館、航空博物館を回ってくたびれてホテルへ。しかし、過去の写真と見比べてみると、5年前と自分の好みの被写体があまり変わっていないのが印象的でした。

Washington D.C.とは関係はないですが、なぜかThe HootersのWashington’s dayが妙にマッチして、その曲が頭を巡っていました。

今日はBostonに到着。Downtownのオイスターバーに行ってきました。明日は早朝ホテルからMITまで散歩しようと思っています。今日は疲れたのでこの辺で。

NIST訪問


GaithersburgにあるNIST(National Institute of Standards and Technology)を訪問。産総研と同じくらいの規模の巨大研究機関です。私はここでも発表を行いましたが、プレゼンの最後にナノバイオ分野の急激な発達によってNano force metrologyの重要性が急激に高まるだろう(確か…with responding requests from the field of nanobio…なんて適当にいってみましたが)、とNIST側の発表の後に意見を言ってみたら、主催者側が見学コースを再アレンジしてくれて、新しいプロジェクトのキャパシタを使ってnNレベルの力をSIトレーサビリティーを確保しながら発生させる装置を見せてくれました。言ってみるモンだ!これとAFMを組み合わせることによってカンチレバーのキャリブレーションが出来れば最高なのだが、NISTのものはいかんせん大きすぎる。しかし、簡単なものを自分で作れないかというとそうでもない・・・。(以下、自分の世界)

NISTでは測定精度の向上のためには、資金に糸目をつけない。Metrology AFMの部屋は、まず建物の20 m地下に空間が広がっていて、それぞれの部屋は2重の壁で防音されており、SPMがおかれるスペースはバネで浮いている。その上アクティブ除振台。測定はかなりクラスの高いクリーンルームで行われ、測定部は何重ものシールドで覆われ、超安定性レーザを用いた干渉計によるclosed-loop feedback、その部屋の温度変化は0.9 mK以下・・・。クレイジーさを感じてしまいますが、「俺たちが標準だ!」と主張するだけの事をやっています。


測定精度を極めようとする哲学には感動しましたが、自分のattitudeとは少し違うなと感じました。コストをかけずに、アイデアを絞って、制限された枠組みの中で使えるものを組み合わせて何とか良い結果を出していくのが、自分のスタイルだなと感じました。それでも、自作のAFM、その他nano force発生器などを見ると、心の底にある熱い装置作りの血が刺激されました(笑)。

しかし、地下20mまで巨大な装置を運搬する巨大エレベータには感動しました。もうほとんどスターウォーズの世界です。せっかくなので動画を載せておきます。

http://www.youtube.com/watch?v=qMXK1YzUjTs

http://www.youtube.com/watch?v=-tSQuLn44hM

これはおまけ

http://www.youtube.com/watch?v=pgVCIivSgAU

本日は15時で全てのプランを終了。その後近くの大型のショッピングモールで夕飯を買ってきて、部屋に入りました。暗くなってしまうと写真も撮れないし、Gaithersburgは何もない町です。また、このような出張では自分の時間がなかなかとれないので、部屋で音楽を聴きまくりながらリラックスしています。

明日は土曜日なのでWashington DCへ繰り出してきます。

CharlotteからWashingtonへ


UNC CharlotteのCenter for Precision Metrologyを見学させてもらい、マシンショップの充実度の高さに驚く。欲しい部品をすぐに作って装置に組み込んで実験することが出来るので、このような研究室の技術は着々と進歩していくのだなあ、と感じる。


昨日の米国、日本の学生の比較の補足だが、明らかなのは研究に対する責任感の質の差であると考えた。教授と学生というのは師弟関係だけでなく、雇用の関係もある程度あるべきだと思う。この二つの良いバランスを見つけるのには少し時間がかかりそうであるが・・・。あと、教授ー助教授ー…と書きましたが、4月から教育基本法の改正により教授ー准教授ー助教ですね。今回、様々な大学の方のお話を聞いていますが、助手を助教にするか、講師から助教は降格ではないか?などといろいろもめているようです。


Charlotteの空港では2時間ほど時間があったので、有機合成の先生とお互いの研究紹介、議論をする。色々話しているうちに共同研究が出来るのではないか?というお話になった。2週間一緒に行動しているとお互い腹を割っていろいろなことを議論できるのがうれしい。こういう交流プログラムは本当に刺激的です。

Kick offシンポジウム& Banquet


時差ボケが抜けずに3時起床。そのままボケッとしているのももったいないので、プレゼン資料の確認と総説の執筆を行う。

キックオフシンポジウムは日米の若手研究者が総勢30人で1人15分ずつ、朝から晩まで発表するという、かなりハードなスケジュール。

米国側の参加者は全員Assistant Professorで自分のラボを持っている。日本の教授ー助教授ー講師ー助手というピラミッド構造とは異なり、彼らは独立して予算を獲得し学生を雇い、研究成果をだいたい5年くらいの間に貯めて、テニュア(終身雇用)を勝ち取らなくてはいけない。もしダメなら研究業界を去る、という厳しいシステムの中でお互い切磋琢磨しています。プレゼンも毎回が勝負!という気合いを感じて非常に刺激を受けました。

日本とアメリカのシステムを比べると一概にどちらが良いとはいえませんが、競争が厳しいけれども自由に研究が出来る点では米国のシステム、長い修行期間を積んで安定した環境でこつこつ研究出来るのは日本のシステムが良いと思います。研究室伝統の技術を長い時間をかけてブラッシュアップしていく、というのは日本のシステムの方がよいのではないかと感じました。というのは、今回の発表を聴いていると、米国の研究者は(化学系が多かったというのもありますが)、物質と市販の装置の組み合わせで興味深い系を追っているのに対し、日本の研究者は研究室独自のハードウェアに誇りを持っているというイメージがありました。(というと私はどちらかというと米国タイプですが・・・)

また、何でこんなに速いペースで結果が出るのだろう、と考えていたのですが、米国(というか日本以外の先進国)では学生に給料を払っているのが大きい違いを生み出していると思います。日本では学費を払ってくるのでお客様のような感じの学生が多いのに対し、米国ではperformanceの悪い学生は解雇されます。研究は時には何日も肉体的にも精神的にも辛い時期があることがあるので、研究意欲のある学生を伸ばすという点では非常に健全だと思います。学振だけではなく、このようなシステムは広まっていけば良いなと思いました。


バンケットではいろいろな研究者と話をしました。今日のシンポジウムがあったおかげで、お互い顔と名前と研究内容をある程度一致させることが出来たし、「みんな頑張っているなー」と素直に感心してしまいました。今日は疲れ気味だったけれど、発表内容が面白いおかげで楽しめました。しかし、かなり後の方の自分の発表の後には、吸い込まれるような(笑)眠気に襲われましたが・・・。

今日Washington Dalesに向かい11日にはBostonに移動します。BostonではHarvardとMITを訪問するので、楽しみ。

シャーロットに到着


シカゴ行きの飛行機の航空会社はユナイテッドだったのであるが、妻が2002年にサンフランシスコからワシントンに飛んだときは機内のアルコールは有料であった。しかし、今回は無料。ビールを一杯だけいただきました。機内食はチキンカツ(夕食)とパスタ(朝食)であった。発表の準備をしていたがMacBook Proのバッテリーが切れると同時にこちらもバッテリー切れ。

MacBook Pro 15″をモバイルとして使うにはバッテリはもう少し持って欲しいし、やはり重すぎる。まさにアメリカ人仕様だ。

最近は飛行機に乗ると降下時に頭が痛くなる。これはドイツから2003年に帰国するときに発症して以来、続いているなあ。

成田から16時間かけてノースカロライナ、シャーロットのホテルに到着。もうくたくただったのですが、夕飯をメキシコ料理屋で食べながらミーティング。マルガリータを頼んだらジョッキで出てきた(笑)。


15人くらいの大所帯で異動していますが、僕は以前から知っている人は1人もいなくて、お互いの専門を探りながら将来の共同研究のため何とか良い人脈を作ろうという、妙に高いテンションでいるのが気に入っております。

高校時代の友人がナパにワイナリー巡りをするというメールが届く。疲れているのにMadonna Estateのワインが如何に素晴らしいかをメールで延々と説いた。

これは輸入は出来ないのだろうか?http://www.madonnaestate.com/

明日はUNC Charlotteで発表。明後日はWashingtonに飛び、GaithersburgのNISTを訪問します。

桜が咲いた!今日から出張


研究所の桜がついに開花しました。(メモリーカードリーダをトランクに入れてしまったため、写真は去年のものを拝借)

昨日は関東地方はまさに春の嵐で強風のため武蔵野線も19:00-20:00はほとんど運行が止まってしまっていて、ホームにも電車にも人があふれていた。ちなみに武蔵野線はちょっとした強風でも遅れが出て遅刻の理由となるために、学生達の間で人気ランキング2位なのだそうだ(笑)。

さて、これから米国出張に行ってまいります。重要なのはパスポート、航空券、MacBook Pro。これらさえあれば、後は現地でどうにでもなる(笑)。最初の目的地はシカゴを経由してUniversity of North Carolina at Charlotte。ここで最初の日米研究者交流プログラムのキックオフが行われる予定です。

Cafe TX


最近はTXの中で出勤直前に作ったラテを飲みながら、スケジュールや研究のことなど手帳の内容について整理するのがマイ・ブームとなっている。25分間のこの時間は至福の時間。

週末の2日連続の駅伝は無事に終わった。総走行距離は20 km程度であるので、普段のスピードなら全く問題ないのであるが、やはりスピードを出して走るのはエネルギーを使うようで、少し疲れが残っている。おかげで本当に何年ぶりか、ギターを弾かない週末を味わった。

走りが速い学生がいて、「根性ですよ、根性!」といっていた。そう、根性。彼の言葉に刺激を受けて、今日は気持ちよく仕事が始められています。

ふと、携帯を見たらW-Zero3[es]のバッテリーが切れていた。普通の携帯よりもバッテリーの持ちが格段に悪いのは致し方ないところだろう。まあ、これもiPhoneまでのつなぎに過ぎないので、もうちょっとの辛抱なのであるが・・・。

今日の午前中にようやく米国での発表資料の作成を終える予定。しかし、準備は未だ終わらず。今日はスケジュールを見直して、さっさと準備してしまおう。明日はいよいよ長旅へ出発。

その研究所員の言い分


超精密計測がひらく世界高精度計測が生み出す新しい物理

計量研究所 (編集)

この本は私が1年前、産総研計測標準研究部門(旧計量研究所)に入所したとき、新人歓迎会の賞品としてもらった。

重さ、長さの標準というものは貿易、流通に必要不可欠である一方、その計測の精密さを極めることによって、今まで見えてこなかった物理現象が目の前に現れてくる、という面白い世界だ。

標準の重要性のために本部門は研究所の中でも“聖域”のようになっていて、新入所員は任期無し、競争的研究資金を取りに行く必要もないほどの研究交付金が与えられる。

その待遇とは裏腹に、標準整備の業務の多さのために発表される論文の数は他の部門に比べ少なく、自分の研究が出来なくて悩んでいる研究者が多い。いわば一番マネージメントが難しい研究部門かもしれない。

基礎研究が活発ではない分、計測技術に関しては大学、企業にとっくに追い抜かれている分野も少なくない。現状では「俺たちが標準だ!」といったところで「良い研究論文を出していないところの標準が信じられるか?」といわれれば、言い返す言葉もないだろう(その点で、米国の標準研NISTは基礎研究が盛んでうまく説得力をキープしている)

標準というものは計測技術とともに進化して行かなくてはならない。「自分たちが標準」と言い切るだけのトップの計測技術をアピールして行かなくてはいけないのであるが、如何にその状態に持って行くかが今後の課題であろう。

小飼弾氏のブログ

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50777910.html

私はこの測定が大の苦手で、だから本書に出てくる極限の測定世界とかを見ると、もう出るのはためいきばかり。原理は頭でわかっても、もう手が全然ついてこない。縁あって日本標準時の原子時計の現物も見学させてもらったことがあるのだけど、もうこの世界は出るのはためいきばかり、いやためいきも計測誤差の理由となるので禁物というもうそういう世界。

計量というのは、文明の軸のようなものだと思う。これの精度が上がったおかげで、文明の輪の回転がどれだけスムーズになったことか。それでいて、ぶれてないなければその恩恵を感じることすら出来ない。ちょっとトウが立っているけど、そういった世界があるということを知るだけでも価値のある一冊。

確かにトウが立っている。ナノテクというデバイスが動いてなんぼ、の世界の標準整備という自分のミッションのためには、大胆なパラダイムシフトが必要だと感じている今日この頃です。

週末の駅伝 #1


さて、この土日とレースに出ることになっていて、ランニング漬けの週末となる。

今日は研究所の事業所対抗駅伝に参加した。これは研究所敷地内の道路(3.4 km)を1人1周で6人で走る。しかし、3 kmそこらをスピードを出して走った経験はなく、結論からいうとハーフマラソンよりも辛かった・・・。

しかし、速いメンバーのおかげで研究所で4位に入賞。

この日の走行距離。アップ(3.5 km x2) + 本番(3.4 km) + クールダウン (3.5 km)

で14 km程度。

明日はもうちょっと気楽なレースなので、みんなで楽しめそう。


ハードディスクの故障とAppleCare Protection Plan


今まではこの堅実的な(笑)性格のせいか、Apple製品を購入する際には自宅用、職場用問わず、保証期間を1年から3年に延長するAppleCare Protection Planも同時購入していたが、最近Googleの技術者がpublishした論文を読んで考え方を改めつつある。

僕はコンピュータの故障箇所はハードディスク、光学ドライブ、ケーブルを抜き差しするインターフェース関係に集中していると思っている。つまり機械的な部分だ。それに比べるとロジックボードなど、機械的に動かない部分は使っていくうちに壊れることは少なく、むしろ初期不良が多いと思う。

今回(というか先々週くらい?)に発表されたGoogleの10万台に及ぶハードディスクの故障と年月、それまでのHDDの状態の経過(S.M.A.R.T.)のデータを調べたところ、温度、S.M.A.R.T.の値とは関係なく、突然死が多いという結論を出しております。

ただし、温度は50℃を超えると故障率が高くなる、さらにscandiskでエラーが出ると、死亡率はエラーがないものに加え39倍とのこと。

ハードディスク10万台のデータとなると、さすがに信憑性があるので参考になる。S.M.A.R.T.のデータは役に立たず、突然死が多いという結果も日々のバックアップが如何に重要かということが分かると思います。(LeopardのバックアップシステムのTime machineはここら辺の事を考えてくれているのだろうか?)

ということはHDDは初期不良でなければ、最初の1年間ハードに使用して問題がなければ、2ー3年はいけるのではないか、と思う次第。その頃にはCPUもHDDの性能もアップしていて、そのタイミングで買い換えれば良いサイクルになるのではないか??なんて考え出しました。

参考:

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070219_disk_failures/