Kick offシンポジウム& Banquet


時差ボケが抜けずに3時起床。そのままボケッとしているのももったいないので、プレゼン資料の確認と総説の執筆を行う。

キックオフシンポジウムは日米の若手研究者が総勢30人で1人15分ずつ、朝から晩まで発表するという、かなりハードなスケジュール。

米国側の参加者は全員Assistant Professorで自分のラボを持っている。日本の教授ー助教授ー講師ー助手というピラミッド構造とは異なり、彼らは独立して予算を獲得し学生を雇い、研究成果をだいたい5年くらいの間に貯めて、テニュア(終身雇用)を勝ち取らなくてはいけない。もしダメなら研究業界を去る、という厳しいシステムの中でお互い切磋琢磨しています。プレゼンも毎回が勝負!という気合いを感じて非常に刺激を受けました。

日本とアメリカのシステムを比べると一概にどちらが良いとはいえませんが、競争が厳しいけれども自由に研究が出来る点では米国のシステム、長い修行期間を積んで安定した環境でこつこつ研究出来るのは日本のシステムが良いと思います。研究室伝統の技術を長い時間をかけてブラッシュアップしていく、というのは日本のシステムの方がよいのではないかと感じました。というのは、今回の発表を聴いていると、米国の研究者は(化学系が多かったというのもありますが)、物質と市販の装置の組み合わせで興味深い系を追っているのに対し、日本の研究者は研究室独自のハードウェアに誇りを持っているというイメージがありました。(というと私はどちらかというと米国タイプですが・・・)

また、何でこんなに速いペースで結果が出るのだろう、と考えていたのですが、米国(というか日本以外の先進国)では学生に給料を払っているのが大きい違いを生み出していると思います。日本では学費を払ってくるのでお客様のような感じの学生が多いのに対し、米国ではperformanceの悪い学生は解雇されます。研究は時には何日も肉体的にも精神的にも辛い時期があることがあるので、研究意欲のある学生を伸ばすという点では非常に健全だと思います。学振だけではなく、このようなシステムは広まっていけば良いなと思いました。


バンケットではいろいろな研究者と話をしました。今日のシンポジウムがあったおかげで、お互い顔と名前と研究内容をある程度一致させることが出来たし、「みんな頑張っているなー」と素直に感心してしまいました。今日は疲れ気味だったけれど、発表内容が面白いおかげで楽しめました。しかし、かなり後の方の自分の発表の後には、吸い込まれるような(笑)眠気に襲われましたが・・・。

今日Washington Dalesに向かい11日にはBostonに移動します。BostonではHarvardとMITを訪問するので、楽しみ。

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