先週Nature編集者による、high impact factor(つまりNature、Science誌)にアクセプトされる論文の書き方のセミナーというものに参加してきた。
結論を言うと、論文を書くときに必要な最も基礎的な項目の説明ばかりで、期待していた過去の事例で良いところ、悪いところを指摘してくれるというのはあまりにも少なく、少し残念でした。
しかし、これは気にとめておいた方が良いという項目をまとめると、
・Write for beginners and experts
初心者にも専門家にも伝えることができる文章
・Oxford English Dictionaryを基準とした英語を書く。(Cambridgeなどではなく)
これは知りませんでした。自分の電子辞書に入っているのがOxfordであるのを確認して安心。
・abstract(summary)では“Here we show…”のようなactiveな表現を使えということ。
これも初めて聞きました。今まではアブストでは受け身の文章で書き始めるのが良いと思っていました。例えば“The interaction between … was measured by…”なんて感じで。
・図では可能であれは複数のデータは全てプロットする標準偏差などのエラーバーは入れない方がよい。
・“It was done…”よりも“We did”の様な表現が好ましい。
・cover letterは重要
それはそうですな。
これらは2000年くらいにボスに教わった論文執筆のノウハウとは少し違っている部分もあります。
また、質問コーナーでは「シェーン事件」のようなものをNature編集部は防ぐことができなかったのか?という質問も出ていました。「そこまでの責任は負っていない。」と言う趣旨の解答でした。多分、そのように答えるように、メンバー間で意見を一致させているのでしょう。
セミナーの話はここで終わり。
ちょうど良いタイミングで村松 秀著の「論文捏造」を読みました。これは「シェーン事件」についてのドキュメンタリーですが、研究者として読んでみると読後の後味が悪いです。
まあ、この本はシェーン事件についてだけではなく、それを見抜くことができなかった、科学コミュニティー、ジャーナルの責任などについてかなり細かく論じているので別の機会に紹介できればと思います。