ポスドク問題 イントロダクション

最近、研究者仲間、そしてそうではない人からも良くきかれる事のあるポスドク問題について述べたいと思う。ちなみに筆者は博士課程修了後2年間をポスドクとして過ごしてきた。ここでは一応フェアな立場をとるように心がけ、ポスドクを通じて自分が感じたことなどについて書いていきたい。

ポスドクとは博士号をとった後、任期付きで(通常2-3年)研究をしている研究者を指す。通常は競争的研究資金によってプロジェクトごとに雇われている事が多い。つまり、「~の開発と研究に関するプロジェクト」が5年だとすれば任期は最長5年で、そのプロジェクトが終了すればポスドクは次の就職先を探さなくてはならない。ポスドクはもし研究を続けることを希望するなら、いつかは企業、研究所、大学などに常勤のポジションを見つけなくてはならないのだが、このポジションの数に対してポスドクの数が圧倒的に多く、将来職がないポスドクであふれかえってしまう、というのがポスドク問題である。これは、30代後半から40歳代に及ぶ博士号を持ったフリーターが急増する原因として危惧されている問題である。

少し古いが2000-2003年度の記事として

http://www.sci-news.co.jp/news/200505/170513.htm

ポスドク問題を記述する記事として

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/rikei/news/20051102ddm016070133000c.html

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/rikei/news/20051109ddm016070061000c.html

その他、この「理系白書」は研究の現場を記述する記事としては、研究者ではない方にとって興味深いと思います。

応用物理学会でのフォーラム

http://www.jsap.or.jp/activities/gender/2004s_report.html

今後のポスドク問題対策としての資料

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu10/siryo/05051801/006.htm

そしてその参考文献(現在の状態では実現までに時間がかかりそうなものばかりですが、非常にヒントになる事柄が多いと思います。)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu10/siryo/05051801/006/001.htm

この問題の舞台となっているのは研究の現場となっているため、ポスドク以外の人(たとえ研究室の学生、テクニシャンにとっても)には実態をつかむことが難しい問題であると思われる。少しでも研究者以外の人にこの問題についてイメージが持てるよう、自分が調べたことなどをここでまとめてみたい。また、総論では自分が今までに見てきたポスドク環境の国による違い(アメリカ、ヨーロッパ)、ポスドクのキャリアパスの選択肢、それに対するポスドクの認識について述べてみたいと思う。

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