パターン認識をするコンピュータ (retrievrを見て感じたこと)

マウスで描いた絵を画像のデータベースから検索する”retrievr”というページがある。

http://labs.systemone.at/retrievr/

山、樹木を書くと近い絵が検索されるので、かなり精度は高いと思われる。人の顔でも何とか認識してくれるときもある。

なぜ、このページに興味を持ったかというと、実はウチの研究室のテーマの一つに「デジタルを超えるアナログ材料の開発」というものがある。コンピュータは正確な計算結果を間違いなく出し続けることが出来るが、プログラムされたこと以上のことは出来ない。一方、人間は、例えば一目見ただけで、子供がどちらの親に似ているかとか、曖昧だけれども今までの経験に基づいて判断を下すことが出来る。このような曖昧だけれどもある程度の判断が出来る従来とは異なるコンピュータの開発が必要になってくるだろう、とのモチベーションで研究を行っている研究者がいる。

曖昧だけれども自己判断能力を持つ、そして過去の失敗・成功によって成長していくコンピュータ(というか人工頭脳)を構築するためのアプローチなんて私には全く想像も付かないが、実現すればターミネータのような世界が現実になるおそれがあるなあ、とふと考えてしまった。

融合領域の学会で一度講演を聴いたことのある東大柴田直教授のインタビュー記事を載せておく。

http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2005/01/01/brainlsi/

P.S. 実はこの先生の講演は非常に面白く、「これからのコンピュータで必要なのは、画面の下の方でいらいらされるイルカではなく(笑)、負荷の少ない、人間のような判断ができる、デバイスの開発だ。」といって会場の爆笑を誘っていた。

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