「科学者という仕事」酒井邦嘉著

今まで研究者の心構えとか、研究人生について書かれた本をいくつか読んできたが、「科学者という仕事」酒井邦嘉著は、研究者以外の人でも「基礎研究とは何か?」について知ることが出来、さらに研究者も良い刺激を得ることが出来るという点でとても秀逸な著書だと感じた。

とても有名な「サイエンティストゲーム」、「続・サイエンティストゲーム」などは、研究業界の中で研究者として生き残っていくための人間関係、振る舞い方などの戦略が詳しくかかれているが、この本で紹介されている研究者はアインシュタイン、マリー・キュリー、朝永振一郎などの理学研究者で、純粋に物事を突き詰めていく事の素晴らしさが、たくさんのエピソードとともに書かれています。

私は駆け出しの研究者であるので、日々の生活の中でふと「10年後はどんな研究をしているだろうか?」とか「いや、数年後には違う職に就いているかもしれない・・・。」と考えると、当初の夢のある目標を忘れ、成果(論文の数)をコンスタントに出す研究スタイルに、自分でも無意識のうちにスイッチしてしまうことが多々あります。

もちろん、論文は研究者としての「生きている証」であって、学会などでは名刺代わりになるものであるから、コンスタントに出す必要があります。要は当初の理想、目標を忘れないバランスが大切なのです。何回も反省していますが(笑)・・・。

しかし、今回の「科学者という仕事」を読んで、修士過程の時に純粋に研究者になりたいと思った初心が蘇りました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください