もう次のCore 2 Duoを乗せたMacBook Proの発表も間近になってきていると思われるが、僕が3月初めに入手して以来ずっと悩まされてきたMacBook Pro 15 inchのノイズの問題が解決したので報告する。
初代MacBook Pro 15 inchは二つのノイズを持っていることが有名で、一つはディスプレイのインバータノイズ、もう一つはロジックボードのコンデンサーノイズが原因といわれている。インバータノイズはディスプレイの明度を変えたときに変化し(明度最大と明度最低で消失)、インバータノイズはCPUへの負荷がかかっている状態では消失する、さらにACアダプタを外した状態(バッテリー駆動状態)ではノイズがひどくなるというのが主な症状であった。
AppleのDiscussion Boards
http://discussions.info.apple.co.jp/WebX?14@779.J149bSa9z1p.0@.f000a6e
では、毎日多数の苦情が寄せられ、解決策としてはCPUにある程度の負荷をかけること、またはシングルコアでの駆動によってノイズか消えるという、手段が提案されていたが、根本的な解決策は無い状態が続いていた。第一、CPUに負荷をかけ続けたり、いつもディスプレイの明度を最大にしていてはバッテリーの持ちが悪くなってしまう。
Discussion Boardsではアップルサポートセンターとのやりとりに関する記事が投稿されていたが、ある日突然トピックごと消去されたりして、Appleの新規購入者への情報隠蔽がおこなわれていたことが明らかになって、3月-6月はMacBookユーザのAppleに対する不信感は最高潮に上っていたことが掲示板の雰囲気から感じられた。
また一方米国では、修理を要求するWEB上での署名運動や決まった時間にサポートセンターに電話をするといった集団的な抗議運動もなされていた。
私のケース(シリアルはW8608***)では4月初旬にサポートセンターに報告。修理または交換を希望するもサポートセンターに到着した当日に「仕様範囲内です。」とのレポートのみの同封で返却。5月中旬に発熱及びノイズ問題で修理を希望するも、全く同じ対応であった。
しかし、TEch Info Libraryに
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=303365
の記事が載せられると事態は急変。僕はこの記事が掲示された直後にサポートセンターへ電話をして「修理の確約はできないけれど引き取ります。」との返答をもらい、三回目の修理に。
修理結果は
1.ロジックボードの交換
2.インバーターボードの交換
3.左右温度センサーの交換
4.バッテリーの交換
と、かなり大規模な修理が行われました。もちろんノイズ問題はあっさり解決です。
今回の件で学んだ教訓は
「初期ロットには手を出さない。」
しかし、今回の場合は仕事の関係でどうしても必要な状態であったのでしょうが無いです・・・。次は科学計算のためにMac Pro(??)を4台ほど購入する予定があるのですが、なるべく今年後半まで待ってから購入しようと思います。
さて、今回のノイズ問題を通じて、Appleの対応の悪さを思い知らされました。修理の体制を整えるまでに何ヶ月もかかる。情報は隠蔽し、問題のある製品を出荷し続ける。対応策がとられてもユーザには報告しない。などの「硬直した企業」にある典型的な対応がことごとく見られました。今後の企業文化の改善に期待したいところです。