アジア国際共同研究 (日本側の問題点について)

アジア諸国の研究の連携を推進するというシンポジウムに参加。

研究者の留学(修行の場)としてアジアからは米国及びヨーロッパへ留学するパターンが多いが、アジアの中(中国、韓国、オーストラリア、シンガポール、インドネシアなど)で人材を流通させることによって、国際的交流と人材の流動とそれによる研究レベルの向上を目指す事が目的となっている。

非常にわかりやすいロジックで一般的にも受け入れられそうなプランだが、一部の研究グループにだけ研究費が集中して、一部の人間だけが組織間を少し異動して、それで終わってしまうような印象があった。

ボス同士での議論も進んでいるのかもしれないが、研究結果を見せ合うだけで、国際研究の交流をどのようにして進めるか、という話し合い、アイデアの紹介が全くなかった。「いつでも、うちに来て良いよ。」という責任感が感じられないリップサービスは何回かきいたのだが。

また、何人かの研究者が冒頭に「理科離れが進んでいるから・・・」というイントロは全くこのプロジェクトを推進するための理由にはならない。なぜなら、それは単純に博士課程学生、ポスドクなどの若手研究者の交換がメインになると思われるから。

さらに博士課程学生は経済的な心配もしつつプロジェクトにつきあって行かなくてはならない。博士課程の学生に経済的支援がほとんど無いのは日本だけで、「学位を買う」という状態になっているのが、日本の研究レベルの低下がすすむ原因だから。まず、博士号授与の敷居を高くする+博士課程の学生に経済的支援をする、として博士号取得者のレベルを上げることが、中身のない国際交流を進めるよりも大事であると感じてしまった。

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