Los angeles

Bostonを後にして、一気に北米大陸を横断しLAにやってきました。飛行機で6時間、時差は3時間なので国内の移動ででも時差があります。Bostonでは早朝は氷点下にまで温度が下がっていたのに対し、昼間のLAの気温は半袖Tシャツでも良いような天候で、厚手のコートを着た我々の集団は滑稽に見えたことでしょう。

滞在したホテルはLittle Tokyoの中にあるホテルで、周りには「怪しい看板」の商店が並んでいました。しかし、日本食を扱っているレストランが多く、昼、夜と日本食を食べました(昼はラーメンでしたが・・・)。味は、ノーコメントです(笑)。

夕方、部屋で2週間くらい前に投稿した論文のrefereeからのコメントを受け取りました。何とも厳しいコメントでしたが、英語の悪さを指摘する表現、論文内で憶測を述べることの危険性を戒める表現、特有のスペルミスから、refereeは博士課程の指導教官である事がほぼ明らかになりました(笑)。

最近は体調が思わしくないという噂を聞いていたのですが、かなり手厳しいコメントからまだまだ元気である、という確信を得て少し安心しました。もうちょっと別の形で知りたかったですが・・・。一方、も真摯に論文の推敲、今後の論文執筆を行おうと、決意しました。

明日は早朝からUCLAに向かいます。そしてその後空港向かい、夜にはSan Francisco、というちょっとハードなスケジュールです。

Harvard University


今日はHarvard Universityを見学。ここではBostonを中心とするNanoscience and engineeringの拠点があって、MIT、UCSB、東大、などがこの巨大コンソーシアムに参加していた。その予算は約2億円で研究室数と学生を雇う人件費などを考えるとそんなに大きくないと考えてしまうが、参加リストの中のスーパースター研究者がそれぞれ数億の予算を動かしていることを考えると予算の心配はなく、重要なのはこれらの研究者が本気で共同研究したら、凄いことが出来そうだ、と本気で期待してしまいます。

このconsortium researchはNanoscienceのための建物をキャンパス内に作っている最中で、1,2年で本格的に有力な研究室がここに移動するようだ。


このprojectのassistant managerの教授にこの計画は一体どのくらいから計画し始めたのか?ときいたところ(ああ、大胆・・・)、2001年からこのためにいろいろな準備を始めたそうだ。そう考えると、ボスの忙しさも理解できるかも(笑)。

ここではWhitesides Labを見学することが出来ました。1998年以来、私は彼のグループの仕事に注目していましたが、研究室自体は何のことはない、普通の研究室でした。実験装置も何ら普通の研究室と変わらない。

やっぱり、重要なのはアイデアとそれを実現する行動力なのですね。何回も思い知る機会がありましたが、今回も身にしみて感じました。


Harvardはキャンパス全体に気品が漂っていて、学生も品格が感じられる人ばかりでした。学部にも依るのでしょうが、授業料は年間300万円くらいだそうです。なので、私なんかの研究者の目から見れば、学部生はお金持ち、本当に凄いのはここにfaculty memberとして招聘される人だなあ、と感じます。(もっとも、これは僕の強がりで(笑)、学位取得までに相当の努力が要求されるこの大学で学位を取った人は無条件で尊敬してしまいます・・・)

Mac版Flickr Uplodr

僕はいつもFlickrへのアップロードにofficialのuploadrを使っているが、20-30枚を転送するとアプリが落ちてしまうことがある。

そのため今回のように旅をしながら大量の写真をアップロードする必要があるときには、ちょっと困りものでいろいろなthird partyのアプリを探していたのだが、1001というソフトは秀逸です。

Flickr Uplodrの機能は完全にカバーしていて、さらに立ち上げておけばいろいろな写真をストリーミングしてくれます。ふとしたときに良い写真を見つけることが出来、それをone clickでFlickrのfavoritesに加えることが出来るのがとても便利。

http://kula.jp/software/1001/

MITまでの散歩

(Bosotonから西海岸L.A.に移動してスケジュールが厳しくなりつつあります。夜到着し次の朝、研究施設を訪問し、その夜また飛行機で移動というパターン。ホテルは自宅よりも速い回線を持っているのですが、毎日たくさん撮っている写真のflickrへのアップロードが間に合いません。)

今日はHarvard Universityを訪問する予定なのだが、午後からの予定なので午前中はMITまで散歩に出かける。

日本を出て1週間がたったが、ギターをこれだけ長い期間さわっていないというのは本当に久しぶりで(昨年のオーストラリア出張以来であろうか?)、ちょっと禁断症状が出ています。こういうときは真剣に写真でも撮ってみようと思いました。

MITは大学に入った頃から、工学で世界をリードしている大学、ということを聴いていましたので、今まででずっと、心の中でなんとなく憧れていた組織でした。とりあえず、有名なドームのある図書館目指しててくてくと歩きました。

キャンパスにはいると、いきなりビジネスマン風の人から「息子がいる病院へ急いでいるんだけれども、タイヤがパンクしてその修理代金が2,3ドル足りないからくれないか?」とのこと。完全に詐欺であると分かったので、そのまま立ち去ったのだが、少し離れて彼の勝率がどのくらいのものか見極めることにした。すると年配職員はだまされないものの、学生と思われる人からは5割くらいの確率でお金を巻き上げていた。工学系の学生はだまされやすいのだろうか?

自分の滞在と重なり、グッドタイミングなのだが、MITで全ての授業が無料でネット配信されるようだ。僕はこの一番の目的は、MITの授業を世界で活用してもらうことではなく、ネット公開というプレッシャー(?)を利用して、授業の質を上げることであると思っている。はてなの会議のネット公開もこの辺のことを意識しているのではないか?

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0703/12/news075.html

米国の様々な町を訪問しましたが、まだまだfonは広まっていないですね。あと2,3年かかるのでしょうか?

Washington D.C.


昨日は一日オフなのでWshington D.C.に行ってきた。GaithersburgからはShady Groveから地下鉄に乗って35分くらいでスミソニアン駅にたどり着けます。しかし、Shady Grove駅まではタクシーかホテルのシャトルバスで10分くらいなのが少し面倒なところです。


実は2002年にも妻とWashingtonを訪れていますが、1人で回ると自分の興味があるものに立ち止まる事が出来るので、なかなか快適でした。国会議事堂、ホワイトハウス、リンカーン記念館、航空博物館を回ってくたびれてホテルへ。しかし、過去の写真と見比べてみると、5年前と自分の好みの被写体があまり変わっていないのが印象的でした。

Washington D.C.とは関係はないですが、なぜかThe HootersのWashington’s dayが妙にマッチして、その曲が頭を巡っていました。

今日はBostonに到着。Downtownのオイスターバーに行ってきました。明日は早朝ホテルからMITまで散歩しようと思っています。今日は疲れたのでこの辺で。

NIST訪問


GaithersburgにあるNIST(National Institute of Standards and Technology)を訪問。産総研と同じくらいの規模の巨大研究機関です。私はここでも発表を行いましたが、プレゼンの最後にナノバイオ分野の急激な発達によってNano force metrologyの重要性が急激に高まるだろう(確か…with responding requests from the field of nanobio…なんて適当にいってみましたが)、とNIST側の発表の後に意見を言ってみたら、主催者側が見学コースを再アレンジしてくれて、新しいプロジェクトのキャパシタを使ってnNレベルの力をSIトレーサビリティーを確保しながら発生させる装置を見せてくれました。言ってみるモンだ!これとAFMを組み合わせることによってカンチレバーのキャリブレーションが出来れば最高なのだが、NISTのものはいかんせん大きすぎる。しかし、簡単なものを自分で作れないかというとそうでもない・・・。(以下、自分の世界)

NISTでは測定精度の向上のためには、資金に糸目をつけない。Metrology AFMの部屋は、まず建物の20 m地下に空間が広がっていて、それぞれの部屋は2重の壁で防音されており、SPMがおかれるスペースはバネで浮いている。その上アクティブ除振台。測定はかなりクラスの高いクリーンルームで行われ、測定部は何重ものシールドで覆われ、超安定性レーザを用いた干渉計によるclosed-loop feedback、その部屋の温度変化は0.9 mK以下・・・。クレイジーさを感じてしまいますが、「俺たちが標準だ!」と主張するだけの事をやっています。


測定精度を極めようとする哲学には感動しましたが、自分のattitudeとは少し違うなと感じました。コストをかけずに、アイデアを絞って、制限された枠組みの中で使えるものを組み合わせて何とか良い結果を出していくのが、自分のスタイルだなと感じました。それでも、自作のAFM、その他nano force発生器などを見ると、心の底にある熱い装置作りの血が刺激されました(笑)。

しかし、地下20mまで巨大な装置を運搬する巨大エレベータには感動しました。もうほとんどスターウォーズの世界です。せっかくなので動画を載せておきます。

http://www.youtube.com/watch?v=qMXK1YzUjTs

http://www.youtube.com/watch?v=-tSQuLn44hM

これはおまけ

http://www.youtube.com/watch?v=pgVCIivSgAU

本日は15時で全てのプランを終了。その後近くの大型のショッピングモールで夕飯を買ってきて、部屋に入りました。暗くなってしまうと写真も撮れないし、Gaithersburgは何もない町です。また、このような出張では自分の時間がなかなかとれないので、部屋で音楽を聴きまくりながらリラックスしています。

明日は土曜日なのでWashington DCへ繰り出してきます。

ソニーからついにα100の上級機の発表

http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/03/09/pma1/

ソニーからついにα100の上級機が発表になりました。スペックなどは分かりませんが、PENTAXのK10Dを意識して方向を修正したはずです。αシリーズの魅力はツァイスのレンズなので期待しています。K10Dでちょっと気になったAF補助光もスピードライトとは別についているし。手ぶれ補正付きのフルサイズCCDが出たらEOS5Dを抜き去ることが出来るのでは?なんて考えています。

CharlotteからWashingtonへ


UNC CharlotteのCenter for Precision Metrologyを見学させてもらい、マシンショップの充実度の高さに驚く。欲しい部品をすぐに作って装置に組み込んで実験することが出来るので、このような研究室の技術は着々と進歩していくのだなあ、と感じる。


昨日の米国、日本の学生の比較の補足だが、明らかなのは研究に対する責任感の質の差であると考えた。教授と学生というのは師弟関係だけでなく、雇用の関係もある程度あるべきだと思う。この二つの良いバランスを見つけるのには少し時間がかかりそうであるが・・・。あと、教授ー助教授ー…と書きましたが、4月から教育基本法の改正により教授ー准教授ー助教ですね。今回、様々な大学の方のお話を聞いていますが、助手を助教にするか、講師から助教は降格ではないか?などといろいろもめているようです。


Charlotteの空港では2時間ほど時間があったので、有機合成の先生とお互いの研究紹介、議論をする。色々話しているうちに共同研究が出来るのではないか?というお話になった。2週間一緒に行動しているとお互い腹を割っていろいろなことを議論できるのがうれしい。こういう交流プログラムは本当に刺激的です。

Kick offシンポジウム& Banquet


時差ボケが抜けずに3時起床。そのままボケッとしているのももったいないので、プレゼン資料の確認と総説の執筆を行う。

キックオフシンポジウムは日米の若手研究者が総勢30人で1人15分ずつ、朝から晩まで発表するという、かなりハードなスケジュール。

米国側の参加者は全員Assistant Professorで自分のラボを持っている。日本の教授ー助教授ー講師ー助手というピラミッド構造とは異なり、彼らは独立して予算を獲得し学生を雇い、研究成果をだいたい5年くらいの間に貯めて、テニュア(終身雇用)を勝ち取らなくてはいけない。もしダメなら研究業界を去る、という厳しいシステムの中でお互い切磋琢磨しています。プレゼンも毎回が勝負!という気合いを感じて非常に刺激を受けました。

日本とアメリカのシステムを比べると一概にどちらが良いとはいえませんが、競争が厳しいけれども自由に研究が出来る点では米国のシステム、長い修行期間を積んで安定した環境でこつこつ研究出来るのは日本のシステムが良いと思います。研究室伝統の技術を長い時間をかけてブラッシュアップしていく、というのは日本のシステムの方がよいのではないかと感じました。というのは、今回の発表を聴いていると、米国の研究者は(化学系が多かったというのもありますが)、物質と市販の装置の組み合わせで興味深い系を追っているのに対し、日本の研究者は研究室独自のハードウェアに誇りを持っているというイメージがありました。(というと私はどちらかというと米国タイプですが・・・)

また、何でこんなに速いペースで結果が出るのだろう、と考えていたのですが、米国(というか日本以外の先進国)では学生に給料を払っているのが大きい違いを生み出していると思います。日本では学費を払ってくるのでお客様のような感じの学生が多いのに対し、米国ではperformanceの悪い学生は解雇されます。研究は時には何日も肉体的にも精神的にも辛い時期があることがあるので、研究意欲のある学生を伸ばすという点では非常に健全だと思います。学振だけではなく、このようなシステムは広まっていけば良いなと思いました。


バンケットではいろいろな研究者と話をしました。今日のシンポジウムがあったおかげで、お互い顔と名前と研究内容をある程度一致させることが出来たし、「みんな頑張っているなー」と素直に感心してしまいました。今日は疲れ気味だったけれど、発表内容が面白いおかげで楽しめました。しかし、かなり後の方の自分の発表の後には、吸い込まれるような(笑)眠気に襲われましたが・・・。

今日Washington Dalesに向かい11日にはBostonに移動します。BostonではHarvardとMITを訪問するので、楽しみ。

シャーロットに到着


シカゴ行きの飛行機の航空会社はユナイテッドだったのであるが、妻が2002年にサンフランシスコからワシントンに飛んだときは機内のアルコールは有料であった。しかし、今回は無料。ビールを一杯だけいただきました。機内食はチキンカツ(夕食)とパスタ(朝食)であった。発表の準備をしていたがMacBook Proのバッテリーが切れると同時にこちらもバッテリー切れ。

MacBook Pro 15″をモバイルとして使うにはバッテリはもう少し持って欲しいし、やはり重すぎる。まさにアメリカ人仕様だ。

最近は飛行機に乗ると降下時に頭が痛くなる。これはドイツから2003年に帰国するときに発症して以来、続いているなあ。

成田から16時間かけてノースカロライナ、シャーロットのホテルに到着。もうくたくただったのですが、夕飯をメキシコ料理屋で食べながらミーティング。マルガリータを頼んだらジョッキで出てきた(笑)。


15人くらいの大所帯で異動していますが、僕は以前から知っている人は1人もいなくて、お互いの専門を探りながら将来の共同研究のため何とか良い人脈を作ろうという、妙に高いテンションでいるのが気に入っております。

高校時代の友人がナパにワイナリー巡りをするというメールが届く。疲れているのにMadonna Estateのワインが如何に素晴らしいかをメールで延々と説いた。

これは輸入は出来ないのだろうか?http://www.madonnaestate.com/

明日はUNC Charlotteで発表。明後日はWashingtonに飛び、GaithersburgのNISTを訪問します。